ダボハゼ君のお正月:2件のアート展示を見に行く

新年最初の連休は、家族が風邪を引いて家にいるので、一人で近場の2つのアート展示を見に行くことにした。1つは岐阜県美術館の「ディアスポラ・ナウ!」(!がオシャレ!)という展示、もう1つは名古屋市ナディアパークの「国際デジタルアニメーションフェスティバル2018」(国際!かつデジタル!)の上映会である。前者は来年度からグローバル社会論を教えるつもりで、「ディアスポラ」という言葉に惹かれて、後者は旧ソ連時代の『チェブラーシカ』が好きで、日本人作家による新作が上映されるというので、出かけた。で、どちらもダボハゼぶりを痛感することになった。

前者の岐阜県美術館はメー駅から在来線で25分プラス徒歩10分で意外と近いが、展示の方は中近東の作家5人プラス日本人の作家1組で、中近東の方の多くはヨーロッパで学びヨーロッパの評価を得た作家だったから、どこがディアスポラ?だった。また映像作品がほとんどだったので、わざわざ美術館に行く意味あるのかな?だった。まあでも、ラリッサ・サンスールというパレスチナ人の作品を見られたのはよかった。なかでも映像作品の未来の廃墟のシーンが、前に取り上げた黒澤明監督の『夢』の「鬼哭」のエピソードとそっくりだったのが面白かった。偶然の一致なのか、引用なのか?

後者のナディアパークはバブルの残骸のようなまぬけなビルで、今どき流行らないアトリウムの空調をケチっていて寒い。ウェブに何も書いてなかったのに70人先着順で、幸いにも63番だった。映写室かと思ったら、ホワイトボードに毛が生えたくらいのスクリーンに卓上プロジェクタ上映。そのうえ平土間なので前の人が遮ってスクリーンが一部しか見えない!。これが文化庁メディア芸術祭の国際デジタルアニメーションフェスティバルか!ただ号泣。

上映作品の方は、私が蛇蝎のごとく嫌悪するジブリ系、すなわち男性作家の少女物語だったので、最後までガマンガマンの50分だった。先に作画監督のながーい解説と宣伝があったのも面白くない。お目当ての併映『チェブラーシカ』も何かちがう。何かではない。私の好きなワニのゲーナの顔が違うのだ。それに解説の人はロシアのアニメーションと言っていたけれど、旧ソ連だろう。チェブラーシカはピオニール(共産党の少年団)に入りたかったのではなかったか。

今年もこの調子で、いろいろなものにダボハゼのように釣り上げられ、プンプン怒って過ごすにちがいない。というわけで、今年もよろしくお願いいたします。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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