40-32÷2=?:受験秀才をこじらせて1

古い友人がfacebookで「40-32÷2=?」というネットニュースネタを引用していて、答えは「4!」で、ウソと思った人は文系、ニヤリとした人は理系だそうだ。元ネタでは答えを出す役が小学生になっているので、つい「今どきの小学生は階乗を勉強するの?すごーい!」と突っ込んでしまった。ネタバレな突っ込みですみません。

後で考えてみると、この問題けっこう面白い。「文系」か「理系」はさておき、「4」でウソと思うのは、「!」を見落としているか、知らないわけで、逆に四則演算というルールを律儀に履行しているのである。ルールに従順な上、見落としが多く無知、そんな「文系」的人格をあぶり出す格好のリトマス紙といえるかもしれない。「文系」の私は3回くらい見直して、ようやく「理系」になった。逆に制度上小学生が階乗を勉強するはずないから、階乗の知識を前提とする「理系」的人格の問題点は、世間知らずで傲慢ということだろう。

と、なぜウジウジ考えているかというと、私は小学校の塾で階乗を習ったからである。塾の先生の理屈は、中学入試に出るか(出ないよ・・・)、出なくてもそれをひねった問題が出たとき、簡単に解けるから、だった。算数に限らず、そんな勉強をたくさんしたように思う。当時から見て20年くらい前の入試問題も勉強した。だんだん簡単になってきているが、万一難しいのが出ても対応できるように、ということだった。今省みればこれは合理的な予測で、灘中の先生は長く勤めた年寄り、それも高校教師が多いので、昔の感覚で出す可能性が高いのである。その灘中に入ってからも、授業は指導要領的教育階梯より先に進んでいき、私はすぐに落ちこぼれた。

東大に入ってみると、典型的には連れ合いがそうなのだが、そんな前倒し教育など全くしていなくても東大に入れるし、大学教授にもなれるのである。逆に前倒し教育ばかりで育った自分が、何かアンフェアな、嘘っぱちな存在に思えて、かといって、今でも前倒し的勉強のクセが抜けなくて、ずっと「こじらせて」いるのである。

とか言っていたら、子どもが「正直言って、お父さん学者って感じじゃないよね。どっちかというと(小)役人って感じ・・・?」だって!うーん。ますます「こじれる」・・・(泣)。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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