新幹線でコートを忘れる(群衆の居場所の作法メモ2)

今秋はじめてコートを着て新幹線に乗り、さっそく網棚に忘れて、コートは広島まで行ってしまいました。原因はいつも座るC席でなくD席に座ったせいです。面白いことだと思っているのですが、C席に座るときA席の人は迷惑そうな顔をしないけれど、D席に座るときE席の人は迷惑そうな顔をします。ところがB席に座るときC席やA席の人はあまり迷惑そうな顔をしません。混んでいるのだなと納得したような顔をします。ここには社会学のエスノメソドロジーのいうような秩序があるのかもしれません。ただ、その秩序の原理はごく簡単で、ある種の場所取りゲームなのでしょう。E席を選ぶ人は、D席も潜在的に自分の所有物だと思っているが、A席を選ぶ人は、B席もC席も自分の所有物ではなく、むしろ通路につながる疎遠な交通の場所のように考えて、引きこもっているのではないでしょうか。さて、あなたはどの席を選びますか?

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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