愛の国ガンダーラ:東海道新幹線の車窓から

東海道新幹線が静岡を過ぎ、日本坂トンネルに入る直前、山側の車窓に小さなラブホテルが見える。名前は「ガンダーラ」。新幹線でよく往来する人は、きっと一度は目にしたことがあるだろう。とても小さく、場所も辺鄙なところにあるから、すぐに潰れそうなのに、たぶん建ってから30年以上持ちこたえた「老舗」なのではないだろうか。名前は、きっとあのゴダイゴの名曲「ガンダーラ」(1978)から採ったものだろう。愛の国ガンダーラ・・・。

今日も何気なく見ていたら、改装するのかいよいよ潰れたのか、白い幕が掛かっているように見えた。アッと思ったが、もうトンネルのなかで、確かめるのは次の上京時までお預け。

ラブホテルにいろいろ妄想を描く年頃から見続け、いつしかほぼ用がなくなっている自分をさびしく思う今も建っている、ガンダーラ。そこに行けばどんな夢も叶ったのだろうか。私はあのころ、どんな夢を描いていたのだろうか。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
カテゴリー: 新企画「新幹線の社会学」, 私の心情と論理, 見聞録 パーマリンク

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