知らなかった名古屋メシ:大府市の最優秀賞納豆

「全国納豆鑑評会」で愛知県大府市の高丸食品の納豆が2年連続で最優秀賞に輝いたという新聞記事を見た。納豆に鑑評会があったなんて!。その日本一が地元の知らないメーカーだったなんて!。

この手のコンクールの結果はにわかには信じがたい。というのは、小学生の頃、「よい歯のコンクール」の市大会に学校代表で出場したのだけれど、実はわが校の校医が学校歯科医師会の会長だったので出来レースだったのである。ところが、私の犬歯の一本に色ムラがあるというので、歯医者たちが集まってあーでもないこーでもないと長々議論した挙げ句、私は賞をもらえなかった。歯で賞をもらってもねえ、と子供心に思っていたので、がっかりはしなかったし、引率してくれた若い女性の養護教諭の先生が、「残念だったわねえ」と帰りにソフトクリーム(歯に悪い・・・笑)を奢ってくれたので、かえって得した気分だった。とまあ、そういうわけで、業界のコンクールは出来レース、という先入観がある。

さっそく近所のスーパーに行って探してみた。多くの全国メーカーの並ぶ棚の片隅にそれはあった。買い求めて、家へ帰って開けてみる。包装は全国メーカーと変わらないが、フタを開けると、おやこれは・・・。昔文京区に住んでいた頃食べていた、明神下の天野屋の「芝崎納豆」と同じ、菌が何かつやつや、生き生きしている。当然旨い訳だ。付属のタレもダシより味醂の味が濃くて面白い。ダテに最優秀賞ではなかった。新しい名古屋メシ発見である。

省みれば、名古屋・愛知は発酵食品王国だ。ちょっと名前で揉めているけれど八丁味噌。味醂、麦を仕込んだ白醤油、米酢(糟から作るのが本格的)、かわったところではパン(敷島パンにフジパン。日露戦争の戦艦みたい)。納豆は水戸が定番だけれど、今では半田のミツカンも米酢より納豆だ。隣町の大府にいい中小メーカーがあっても不思議ではない。

大府は、他にフォークリフトの豊田自動織機の大きな工場と、昔直売所日本一だった農産物マーケット「JAあぐりタウン」と、高齢者医療の国家機関、国立長寿医療研究センターがある。地味だけれど面白い町である。

 

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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