お帰り、ちきゅう:新幹線の社会学10

「お帰り、ちきゅう。」東海道新幹線が静岡新富士間を通るとき、清水港にときどき巨大な火の見櫓を立てたような船を見ることがある。地球深層探査船「ちきゅう」だ。この間も見たが、その姿は少しさびしそうだった。それもそのはず、南海トラフの深海底の掘削に失敗した後の帰港だったのである。思わず、「お帰り、ちきゅう」と声をかけたくなった。

まるでペットのような人気の「はやぶさ」や、大浴場つき航空母艦「かが」に比べればずっと地味だけれど、『日本沈没』にわくわくしたオジサンは、「ちきゅう」好きだな。がんばれ。未知の世界は宇宙だけじゃないぞ。公費を使うべきは国防だけじゃないぞ。

 

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
カテゴリー: 新企画「新幹線の社会学」, 見聞録 パーマリンク

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