かつて住んだ地方都市の話

中村正義と義父の故郷である、ある地方都市に私たち家族も5年間住んでいた。子どもたちはそこで生まれた。色々な事情から、私はそこを第二の故郷とする覚悟だったので、名古屋に引っ越さなければならなくなったときには、非常につらかった。その町にはよいところがたくさんあるが、私が一番好きだったのは、ある地元スーパーである。三河湾の魚が新鮮で、秋になると活きたハゼを求めて、天ぷらにするのを楽しみにしていた。次に好きだったのは、太平洋の海岸である。長く続く砂浜に座って風に吹かれていると、波打ち際で忙しく動き回るスナホリガニのとともに「環境の等格な一要素」になれるような気がしたものである。あ、この言葉は、私の本の理論篇でルソーの『孤独な散歩者の夢想』を論じるのに使った言葉です。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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