長い墓標の列 続

先便で「図書館で借りて読もう」と記した福田善之「長い墓標の列」(『現代日本戯曲大系4』1971,三一書房)を借りてきた。ついでに登場人物のモデルの1人である木村健康の回想録『東大 嵐の中の四十年』(1970,春秋社)も借りてきた。

木村は大河内の弟弟子で、平賀粛学のなか大河内、安井拓磨とともに助手を辞めたが、兄弟子二人はたちまち復職したので、木村のみ河合に殉じたことになる。ところが安倍能成が一高教授に拾い、戦後は経済学部に復帰する一方、矢内原忠雄の片腕として兼任で駒場の大学院の基礎を作り上げた。文章が非常にどっしりしていて、ああ、昔の先生だなと思う。我らが福武直とはトシも1回り上だけれど、秀才のケタが1つ違う感じだ。

「長い墓標の列」は1957年にぶどうの会が初演し、演出は若き竹内敏晴だった。神戸高校で樺美智子の親友だったのに終生ノンポリだった亡父が取り上げたのが頷けるほど、大衆演劇のようなセンチメンタリズムに満ちた戯曲である。ウィキで調べると、福田善之はウルトラマンやウルトラセブンに博士役で出ていたそうだ。覚えてないな。もっともセブンは有名なお蔵入りの回(第12話)だったそうだけれど。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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