偉大なるナインチェ:ヴィレッジヴァンガードでの掘り出し物

ご当地企業のヴィレッジヴァンガードが「ナインチェ(うさこちゃん、あるいはミッフィー)」の特設売り場を大型ショッピングモールに出していて、覗いてみたら素敵なクリアファイルを見つけた。表裏に高山寺の国宝「鳥獣戯画」のウサギや蛙を散らした真ん中に、シーツをかぶってお化けになったナインチェがいる(『うさこちゃんおばけになる』)。裏面には隅っこに背中向きのナインチェがいる(『うさこちゃんびじゅつかんへいく』)。裏表がひと連なりのストーリーになっている巧みなコラボデザインで、裏は「鳥獣戯画」を見に来たナインチェ、表はウサギや蛙たちの遊びに仲間入りしようとしてお化けになってみたナインチェという風に見えた。老いたウサギや蛙たちは腹を抱えて大笑い、でも幼いナインチェは大真面目。私はグッとくる。国宝のウサギや蛙たちより、ナインチェは純粋で、輝いている。

ナチに蹂躙されたオランダに生まれ育ったブルーナは、幼い子どもだけがもつ真面目さと純粋さをこれ以上ないほどにナインチェに注ぎ込んだ。それはなぜだったのか、いろいろ想像される。

 

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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