尊敬する先輩たち1:江原由美子先生

私の研究者としての特徴を知ってもらうために、連載で尊敬する先輩たち、先生たちのコトを書きます。

今日登校の車中で、江原由美子先生の『生活世界の社会学』を再読しました。たぶん学部の学生の時以来ですからほぼ四半世紀ぶりです。江原先生と私はもちろん師弟関係もゼミの先輩後輩関係もありません。ただ20年前に私がはじめて日本社会学会大会のプログラムの下案をつくったとき、研究活動委員会で一番文句をつけられたのが江原先生でした。その後、10年前に江原研究活動委員長の下で3年間幹事を務めました。最初の大事な会議の時、私が時間を間違えて遅刻したのですが、部屋に着くと「ああよかった。でははじめましょう」の一言で会議を始められました。そんなお付き合いです。

あらためて読んで、収録された論文が1つのシステムのように緊密に関係し合っていること、それらすべてに日常生活の中で半ば無意識のうちに遂行されてしまう秩序への強い批判的関心が貫かれていること、近年の『ジェンダー秩序』に至る著作の過程がそのシステムの深化と拡張であり、『生活世界の社会学』こそはその原点であることを、再認識しました。こんな一貫した深化と拡張の見られる人は見田宗介先生くらいしか他にいないのではないでしょうか。

大学について気づきました。今日読んだ本にはたくさん線が引いてあったのですが、それは連れ合いの持ち物で、私の本は研究室の片隅に退蔵されており、もともとあまり線も引いてありませんでした。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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