秋のモオツァルト

秋も深まって朝夕肌寒く、でも日中は温かい日の午前には、モオツァルトを聴きたい、もともとすごく好きというわけではないが、季節毎に聴きたい曲がいくつかある。秋はヴァイオリン協奏曲第4番、演奏はクライスラー。第1楽章の冒頭で、オーケストラの序奏のあとソロヴァイオリンが入ってくるところは、手練のプロでも緊張するそうで、気負い込んだ演奏が多いが、そこはクライスラー、サラッと、しかしピンと張った音で入ってくる。この曲の好きなところはそこと第三楽章の終わり。「あれ、終わったの?」という感じがいい。続いてピアノ協奏曲第23番、演奏はマルグリット・ロン。こういうピアニストは(もちろんクライスラーもだけれど)、もういない。強くて痛くなく、ニュアンスがあってくどくない。最後に、定番のワルターの『プラハ交響曲』。もう満腹です。

これが梅の咲く頃ならクラリネット五重奏曲。演奏はウィーン八重奏団。音楽から早春の微かなぬくもりが伝わってくるようだ。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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