高弟奈良本辰也によれば、歴史家服部之総は、分からないことはまめに専門家に手紙を書いて教えを乞うたそうである。
新聞の小さなコラムに私の知らない哲学上のことが記されていて、ちょうどTwitter上で著者の方がその宣伝をしていたので、思い切ってたずねてみた。そのことをもっと知るためにはどんな本を読んだらいいですか。
親切なことにすぐに返信があって、ある最近(7年前)の哲学書を薦めてくださった。ここですでにもやもや。できればヒュームとかカントとか原典を教えてもらいたかった。でも折角だから、その本を買って読んでみた。
するとたしかに関連する記述はあったけれど、元のコラムの話とはちがっていた。その上、本の方の話は著者のオリジナルだと言うのである。コラムの方は哲学のかなり一般的な説というニュアンスで書かれていたから、私は知らないと思ったのに。話が全然つながらない。もやもやが募っていく。
この哲学書、私のような専門外の者にも分かりやすく、主張も明晰ではあるのだが、何か歪んでいるような気もするのである。たとえば人名索引に和辻哲郎と三木清と九鬼周造と戸坂潤はいるのだけれど、ヒュームもベンタムもミルもいない。いや、せめて坂部恵先生を挙げてほしかった。坂部先生がいらっしゃった研究室の人なのだから。
結局色々勉強できてコラムにも本にも感謝すべきなのだが、もやもやは消え去らない。私が信じてきた学問の文化とちがうことに今どきの学問はなっている。やはり年をとった、耄碌したということなのだろう。
かほう鳥です。「もやもや」拍手。正しい発熱剤にも見えますが。
㍶検索して広告も調べ発注し、期待外れだった私とあんまり変わらないとも思え,,, 「もやもや」は男性特有の敗北感? 奥様にお尋ねください***
服部先生がいらしたら「時にはずれもあり」と。違うかな? 失礼しました。
かほう鳥さん、コメントありがとうございます。もやもやは男性特有の敗北感、そうかも。連れ合いに聞いてみます。