信濃国佐久郡伴野市:国宝『一遍聖絵』の世界を訪ねて

日本中世史を少しでも囓った者なら必ず見たことのある国宝『一遍聖絵』、そこには2つの「市庭」が描かれている。備前福岡市と信濃伴野市。福岡市は26年前新婚の連れ合いと訪れた。連れ合いは司馬遼太郎の『播磨灘物語』で知っていた。もう一方の伴野市(佐久市野沢)をようやく訪れることができた。集落のなかの細い農道が鎌倉時代と同じ(かどうかは定かでないが・・・)と思うと感慨深い。

ただ現地を訪れてみると、国宝とはいえ京都の絵師が描いたのでリアルでないことが分かる。画面の中央を占めるべき浅間山が描かれていないのだ。『伊勢物語』にも詠われた名峰を知らないはずはないから、絵師円伊は伴野市がどこにあるのか知らなかったわけだ。

中筋 直哉 について

法政大学社会学部教授。1966年神戸市生まれ。
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